東方の三博士の贈り物がXmasプレゼントの起源のひとつということですが、贈り物といえば、Xmasの大スターを忘れるわけにはいきません。そうです。サンタクロースその人です。
†サンタクロースとは誰か
この方が一体誰だったか?については諸説ありますが、その中のひとつ聖ニコラウス説がかなり有名。きっとご存知の方も多いことでしょう。
聖ニコラウスは西暦270年、小アジア(現在のトルコ)のミュラの町パタラで生まれました。貿易商の裕福な家庭に育ち、両親亡きあと、遺された莫大な遺産を貧しい人や病苦の人たちに分け与えました。彼自身は聖職につき、後にミュラの司祭になりました。
この人をあらわす有名なエピソードの一つを紹介します。
ある貧しい両親がお金に困って、3人の娘を身売りに出そうとしていたところ、それを聞きつけた聖ニコラウスが、夜中にこっそり窓の外から金貨を投げ入れたのです。お陰で3人の娘は娼婦にならずにすみました。
この時投げられた金貨は、たまたま暖炉のそばに干してあった靴下の中にすっぽりと入ったとかで、このエピソードが靴下の中のプレゼントというかたちで、現在まで残っているといわれています。
聖ニコラウスは子供の守護聖人。頭上には司教の冠を戴き、片手に司教の杖、もう片手に黄金、あるいはパンののった書物を持ち、裾の長いローブをまとっている姿で描かれたりしています。
ちなみにサンタクロースが現在のような、真っ赤なコスチュームをつけた白いヒゲで赤ら顔の陽気なおじいさんとして登場したのは1931年。アメリカの、コカコーラ社のCMイラストとして描かれた姿だったのです。サンドブロムという画家が油絵で描きました。
それ以前の、ビジュアルとして描かれたサンタクロースは若者だったり、老人だったり、小人だったり、また服装も緑のガウンだったり、裸に近いものだったり色々でした。
レイモンド・ブりッグスの絵本さむがりやのサンタ..福音館書店は、その陽気なサンタさんの、愛すべき堅実で幸福な日常が描かれていて、プルート通信管理人の大好きな絵本のうちの一冊です。大人も子どももたいそう楽しめることうけあい。
日本では中国山地に、お年玉は親からもらうものではなく、神さまー庚申さまからもらうものとされ、大晦日の夜、子どもたちは庚申さまの前に自分のさいふを置いておく、という風習があったそうです。
さてさて、タイトルのサンタさんの紅茶について。
岩波書店のライオンと魔女・ナルニア国ものがたり(1)という話は、管理人が小学生の頃すっかりハマってしまった本なのですが、その中に出てくるサンタさんが、大きな体をした、厳かな、気品のあるステキな人として描かれています。
雪の中、命を脅かされつつ辛い旅をする一行のもとに、思いがけずサンタクロースがあらわれて、一行のそれぞれに重用な贈り物をわたします。その直後のシーンを引用してみます。
―とサンタクロースは、ふいにおごそかなようすをくずして、
「今すぐみなさんにききめのあるものを、さしあげよう!」
ととりだしたのは(わたしはきっと、背中の袋から出したのだと思いますが、だれもとりだすところを見ていませんでした)、大きなおぼんで、その上に、五この茶わんと角砂糖の鉢、クリーム入れの壺、おまけにしゅうしゅう湯気をあげているとても大きな茶わかしまでのっていました。
それからサンタじいさんは、
「クリスマス、おめでとう!ほうんとうの王さま、ばんざい!」
と叫んで、むちをぴしりとならしますと、おじいさんもトナカイも、みんながわれにかえる前に、たちまち見えなくなってしまいました。
ピーターが、さやから剣をひきぬいて、ビーバーさんに見せていますと、ビーバーおくさんは、みんなにいいました。
「さあさあ、みなさん!そこに立ったままおしゃべりしていると、お茶がひえますよ。それじゃ、でくの棒ですよ。さ、おぼんをはこんでくださいな。朝ごはんにいたしましょう。パンきりナイフを持ってこようとおもいついて、なんて間がよかったんでしょ」
そこで一同は急ながけをおりて、洞穴のなかにもどりますと、ビーバーさんがパンを切ってハムをいれてサンドイッチをこしらえ、ビーバー奥さんがお茶をついで、みんなしてたっぷりごちそうになりました。
このハムはビーバーさんの家の天井から吊り下げられていた大きな骨付きのハム。それを薄く切ってはさんだサンドイッチとクリームたっぷりの熱い紅茶!作者の出身国のイギリスらしい食卓の風景ですが、このサンドイッチとサンタさんにもらった紅茶はどれほど美味しかっただろうか、などと幼い頭でしきりに想像していた頃を思い出します。
この話のサンタクロースの登場のしかたは大変ドラマチックで、物語の一つの山場となっており、今でも読むたびに子どもの頃感じたワクワク感がよみがえります。
この本を読む以前、サンタクロースに対しては、よくわからないけれど子ども好きの気前のいいおじいさんらしい…といったイメージしかなかったのですが、ナルニア国のサンタクロースはあきらかに神のみ使いの一人で、冒しがたい威厳と限りない優しさに満ちていて、読後、イメージが一変したものでした。
†サンタクロースの呼び名
フランス語:Pèle Noëlペールノエル
ドイツ語:Weihnachtmannヴァイナハトマン、SamiChlausサミクラウス
英語:Father Cristmasファーザークリスマス
オランダ語:SinterKlaasシンタークラウス