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美しき姫君-La Bella Principessa

 この世のどこかにある、いまだ発見されざる宝

 遥か昔から、人々を魅きつけてやまず、探求心を駆り立てずにはおかないもの。

 天空の城や庭園、地中(水中)都市、古代王朝の財宝、遺産、遺跡、はては黄金郷、桃源郷、シャングリ・ラ…。
 すでにいないとされていたものの、実は存在していたまれにみる種、あるいは高貴な血筋の末裔…。

 そういったものは、すでに探求しつくされたか、と思えるこの現代に、突如「彼女」は現われました

Photo
 
 「彼女」は、1998年1月、NYの絵画オークションに何処からともなく登場したのです。

 ヴェラム(子牛皮紙)に描かれた、絵画としては小さめの33cm×23・9cmの作品で、その時の肩書きは
”19世紀ドイツの画家がイタリアルネサンス調を模した作品”
というものでした。

 ところが…「彼女」は15世紀に実在していたミラノ公の息女で、しかも、かのレオナルド・ダ・ヴィンチの真作ではないか、というではありませんか!

 なんというロマンでしょう。

 しかも、専門家たちによる、数々の最新技術を駆使した科学的調査と、気の遠くなるような地道な作業の果てに、これは限りなく現実に近いロマンなのだということがわかってきました。

 事の顛末は、冒頭の写真ー2010年に出版された本「美しき姫君」にその詳細が載っています。

 ここでは管理人が個人的に印象深かった実証例について3点ほど記しておきます。

左利きのダ・ヴィンチ風シェイディング(陰影を付ける技法)Daughter22years2b_3
 はずかしながら拙作で説明いたします。

 人物の前方の背景の陰は八ッチング(線影)と呼ばれる技法でして、幾筋もの細い線で表現されています。

 右利きの人の描く八ッチングは右上から左下に向かって斜めに伸びます。→
Photo_2

 対して、左利きの人のものはこれとは逆に右下から左上(または左上から右下)へと向かうのです。

 
 ダ・ヴィンチ以外の左利きの絵の達人、あるいは右利きでも、左利きが描いたように描ける達人というのが、いるところにはいるのかもしれませんけれども。

画材と技法、デッサン力が尋常じゃない
 ー普通こういうことはやらんだろ!ってことでもアイツならやりそうだー

 絵の描かれた画布はヴェラムという子牛皮紙の滑らかな表面です。
 描画材はトロワ・クレヨンと呼ばれるチョーク。

 チョークの粉をヴェラムのような滑らかなものに定着させるのは大変難しい。
 それをやりつつ、繊細で緻密な絵画表現力と、明らかに人体の構造に精通しているかのような非凡なデッサン力を持つ者。
 
 科学、数学、 天文学、解剖学、物理学、機械工学、水理学その他もろもろ、この世のあらゆる摂理を探求していたダ・ヴィンチのようなマルチプルタレントなら十分やりうるだろう。

 彼は常に新しい画材や技法を追求し、その研究にも余念がなかったのだから。
 ちなみに「最後の晩餐」はそういった実験の失敗例である。

この作品は独立した一絵画ではなく、写本の1ページを切り取ったものだった

 2010年に出版された本「美しき姫君」には、この仮説が記されています。しかし、絵を切り取られたとされる、元の写本そのものは、この時点で見つかっていませんでした。

 そういう写本がこの世のどこかに必ず存在するはずだ、ということまでしか述べられておらず、その仮説を立てた調査チームに対して真っ向から異を唱える、あるいは嘲笑う専門家もいたのです。

  ところが、2012年11月21日のNHK番組「地球ドラマチック・ある肖像画の謎~2」において、その写本が発見された様子が放映されたのです。

 ワルシャワにあるポーランド国立図書館に、スフォルツァ家の歴史が書かれた写本が存在していたのです。
 その本は、何者かによって明らかに1枚分のページが切り取られていたのでした。

 絵に残されたの3箇所の閉じ穴と写本の閉じ目もぴったりと一致しました。

 それは1518年に、ポーランド王と結婚したスフォルツァ家のある姫によってポーランドに持ち込まれた写本でした。

 「美しき姫君」は、もとは確かにその写本の中にいたことが証明されたのです。

 「そんな写本などありえない。そんなものが存在したら裸で逆立ちしますよ」
 とおっしゃっていたレスター大学のエクサージャン教授、嫌な奴オーラがバリバリ出ており、映像的に大変いいキャラでしたが、その後、「裸で逆立ち」は実行されたのでしょうか(笑)?

 …だからといって、これがダ・ヴィンチの作であるという、決定的な証拠になりうるか、というと、それはまた別の話なわけですけれども、壮大なロマンがリアルタイムで実証されてゆく過程には本当に興奮させられた次第です。

 「美しき姫君」は、ミラノ公国軍人との婚礼のわずか4ヵ月後に急逝した、ミラノ公の息女、ビアンカ・スフォルツァでした。
 享年13~14。

 印刷物や電子画面で見ても、その肖像は、まだあどけなさの残る清純さに満ち、悲劇的な運命ともあいまって、見る者を切ないような気持ちにさせる儚げな美しさをたたえています。

 「彼女」を写本から切り離した人物はどんな理由でそれを実行したのでしょうか。
 巨匠の作と知っていたから…?
 彼女に魅入られたあまり…?
 それとも他に何か…?

 一体、今まで「彼女」はどんな旅をしてきたのでしょう。

 ともあれ、いつか実物にお会いしたいものです。


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コメント

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投稿: Emberlynn | 2012/12/19 02:37

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