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「ノルウェイの森」のこと

 20年ぶりにノルウェイの森を、文庫本で再読しました。
 例の、の上下巻です。
Photophoto:Sozai Room.com


 蟹座の同居人が、仕事の資料として必要とのことで買ってきたのでした。 

  管理人は、村上春樹の作品世界とはどうも相性がよくないようで、かつて友人に熱心に薦められた何冊かの本は、いづれも最後まで読み通すことが出来ませんでした。

 なので、’87年に「ノルウェイの森」の単行本が刊行された時は、「決して途中で投げ出さない」という固い決意の元に、購入して読んだものです。

 果たして…感情移入こそできないまでも、せめて受け入れることくらいできる人物や状況があるんじゃないか、と期待したのですが…結局どいつもこいつも好きになれず、共感もできず、この世界の住人にはなれない空しさが残った感が(笑)。

 あ、でも、唯一、突撃隊氏はだけ例外です。
 この人は好きです。
 なので、ワタナベや直子が、彼を小バカにして哂うような感覚が、どうにも好きになれませんでした。

 私ゃ、ワタナベに言いたかった。

 「おまえはなぁ、突撃隊のような人の人間性に触れて、己の頑迷さと許容量の狭さを反省するくらいの柔軟性とひたむきさがあれば、恋人に死なれるこたぁなかったんじゃないかね」

 その後単行本は、読みたい、と言う友人にあげました。

 現在は、こういった人たちがなぜ、そうなったのかというプロセスを受け入れることは出来ます。
 年を経ることがいいのは、こういう部分かも知れません。 

 ところが、近々、私の好きなフランス系ベトナム人のトラン・アン・ユン監督が、この作品を映画化するというではありませんか!
管理人は、特にトラン・アン・ユン監督の「青いパパイヤの香り」の作品世界を、とても愛しております。

 一体、好きな人が、鼻持ちならない人(村上春樹ファンの方、大変申し訳ございません。ホントにえらい、すんまへん!)を、どう料理するのか。

 ただ、この作品の舞台となったいくつかの場所には、個人的に縁を感じる所が出てきますので、地図など眺めながら読んでみたら、かなり楽しめました。

おすすめのノルウェイの森地図

 ★主人公ワタナベ君の在籍している大学
 ここは早稲田大学第一文学部演劇科ですね。
 蟹座の同居人と同じです。
  蟹座の同居人の話によると、『金属の杖をついた脚の悪い教授』のことは、

 「鮮明に覚えている。シェイクスピアの話を始めると止まらなくなる人だった。学生活動家が教室へ闖入してきて、講義が中断されるあたりも、気持ち悪いくらい自分の学生生活と重なるんだけど」

 とのことでした。
 それもそのはず。
 村上春樹もこの科の出身で、二人の在学年はわずかですが重なっていたのです。

 ★直子の在籍していた大学
 英語の教育で有名な津田塾大学ですね。
 『武蔵野のはずれにある女子大。彼女のアパートの近くにきれいな用水が流れていて
 実は、津田塾大学のすぐ近くにある美術大学は管理人の母校です。
 作品にも、ほんの少しですが美大生が出てきます。
 きれいな用水とは野川(国分寺市東恋ヶ窪に源を発し南へ流れる川)のこと。

  当時、管理人は恋ヶ窪にある女子大生専用のアパートに住んでいました。
1階は大家さん一家の住居で、2階に6畳間と小さなキッチンと流しが付いた部屋が5つあり、3部屋には津田塾大生、2部屋には美大生が住んでいました。

 廊下に5人で1台のピンクの公衆電話を共有しており、かかってくると誰かが出て、取次ぎ、通話時間はノートに記入して、それぞれお金を払っていました。

 アパートの美大のお姉さんにはバイトの紹介をしてもらったり、お金がない時にご飯を作ってもらったり(涙)。
 津田塾のお姉さまの所属する管弦楽団(津田塾&一ツ橋大学合同サークル)のコンサートにも行きました…懐かしいです。
  
 ★突撃隊がワタナベ君にくれる蛍
 『ほら、こ、この近くのホテルで夏になると客寄せに蛍を放すだろ?あれがこっちに紛れ込んできたんだよ。これ ね、女の子にあげるといいよ。きっと喜ぶからさ

 このホテルは椿山荘ですね。
 獅子座の同居人の通っていた学校のPTAは、毎年初夏に椿山荘で「親睦と蛍の夕べ」と称するパーティを開きます。
 

 ★ワタナベ君と直子が散歩する飯田橋や本駒込あたり
 かつて、仕事場として使っていたマンションや、獅子座の同居人の母校がある。

  ★主人公のカップルがデートをする日本橋高島屋★
 デパートの中では最もよく利用します。
 お客が多過ぎず、こぢんまりとして落ち着ける感じがいいのです。
 かつて屋上庭園の池には色とりどりの鯉がぎっしりといました。
 50円で買ったエサをやりながら、鯉を見ているのが好きだったのですが今、鯉はいなくなっちゃいました(寂)。

 新幹線に乗る時は、駅弁ではなく、ここのデパ地下で、お寿司やお惣菜、お菓子にトマトなどを購入して東京駅まで歩き、車内での食事にします。

 すきやばし次郎(本館4階)
 世界に知れわたる名店の支店です。
 本店はあまりにも敷居が高く、値段も高いので、一生足を踏み入れることはないでしょう。
 でも、ここの支店は、下着売り場の奥にさりげなくあり、10人も入ればほぼ満席状態のスペースで、お値段も(あくまで本店に比べればですよ!)お手頃。
 デパートの商品券を頂くと、ここのお寿司に貢いでしまう管理人なのでした。
 

 資生堂パーラー(新館6F)
 やはり銀座の本店にはほとんど行きませんが、ここは、気軽で落ち着けます。
 ここのオムライスや苺のパフェなどは、お味も大好きですが、その姿の美しさを愛しております。
 長年きたえられ洗練された味と姿。美しいものはシンプルで奥が深い。

 ケーニヒスクローネ(Königs Krone)(地下1F)
 ドイツ語で「勝利の王冠」という意味の洋菓子屋さん。
 ここの「カップ入りフレッシュケーキ」が好きでよく買って帰ります。一つ400円弱のお持ち帰り用パフェです。

 ★おまけ
 かつて村上春樹が、管理人と同じ町内に住んでいた。

 ちなみに村上春樹は1月12日生まれ。
 トラン・アン・ユン監督は12月23日生まれ。
 この二人はどちらも、管理人が一目置く山羊座なのでした。

 映画は…なんか、やたら、待ち遠しいんですけど。
 

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コメント

記事のご案内ありがとうございました。

確かにあの小説には、上野から武蔵野まで、様々な東京の地名が
出てきて、なんとなく懐かしく思って読んでいました(昨年)
私も東京で学生生活を送ったので、ピンとくることばかりです。

基本温度が低めで、村上春樹の美意識自体が自己完結している
感があるので、感情移入する感じではないように個人的には
思います。
因みに、私は村上小説の食事のシーンが好きです。

P.S. 私は密かに蠍座と山羊座は、どこか似ている面が多いの
ではないかと思っています。どちらも明るいイメージではな
いですし、そもそも支配星がどちらもダークというか、ちょ
っと怖い(笑)。
ドストエフスキーも蠍座ですね。
彼の文章の粘着気質は、持病の「てんかん」と関係があると
読んだことがあります。おしゃべりだったりしたら驚きです。

投稿: Steinbock | 2009/05/14 04:18

Steinbockさま

さっそくのご訪問ありがとうございます。

「村上春樹の美意識自体が自己完結している
感があるので、感情移入する感じではないように個人的には
思います。」

そうですよね。感情移入出来ない私がひねくれ者、あるいはバカなのではないのですよね。安心しました(笑)。

ドストエフスキーは、癖が強くて相当に饒舌な人物をよく描きますが、それは、実際彼もそうだったようです。
満天王いわく「まさに蠍座なのよ」

小説の登場人物たちは誰も彼もが、やたらとよくしゃべり(それこそ何ページもしゃべります!少しは推敲したらどうか、と思うほど)、しかもしゃべりながら自分の言葉でさらにハイになってゆく感じなのです。

ドストエフスキーが、自分の子がいかに可愛いかを書いた文章や、奥さんに当てた情熱的な書簡を読んだことがありますが、いやはや…量も内容も、体力が弱っている時は読めないであろう饒舌さでした。

山羊座と蠍座はたしかに同類の星座かも知れませんね。
表舞台より黒幕や参謀、表番より裏番が似合います。
敵に回したくない星座の2トップといったあたりも(笑)。

ところで映画「ノルウェイの森」の配役が本日5月14日、発表になったようですね。
週末にでも、また続きの記事を書くつもりでおります。

投稿: プルート通信管理人 | 2009/05/14 20:54

饒舌な蠍座、ドストエフスキー。ちょっと意外でした。
でも、確かに彼の作品には、長大でも尋常じゃないスピード
感があったりしますね。

「敵に回したくない星座2トップ」、同感です(笑)。
両者とも忍耐強いとか、粘り強いとか言われますが、怒ると
じっと戦略を練りまくって一撃必殺を狙うみたいな。

ところで「ノルウェイの森」のキャスト。
私が知っているのは、直子に選ばれた菊池凛子さんくらいです。
一昨年の映画「バベル」で有名になった女優さんですよね。
確か彼女は山羊座ですが、直子のイメージとしてはどうなの
でしょうね。
監督は、VTRを観て、「三秒で決めた」そうですが・・・

記事の続編、楽しみにしております。

投稿: Steinbock | 2009/05/15 03:52

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