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愛を教えて-Rとの対話・№2

愛を教えて-Rとの対話№1の続きです

 相手の思惑は怖くないのですか?

――怖いのは、他人の思惑ではなく、抑圧し続けた自分自身の自然から、ある日、復讐されることではないかしら?

Rそれは、自分が関わりたくない人と関わり続けた結果、ある日突然フラストレーションの限界を超えるという事ですか?

――そういうこともふくまれるでしょうね。例えば、リストカットなどの自傷行為をする子。彼らはどうやら、自傷行為をしている時だけ「生きている」感じがして、普段は生きている感覚を持てないらしいのです。普通にしているだけでは生きている実感がない。それ程までになるには余程、自分の自然な感情を押し殺してきてしまったのではないでしょうか。あるいは誰かに押し殺させられているのです。

 実を言うと…僕も…リストカット経験者です。僕がリストカットしたのは自分の立ち位置が分からなくなったからです。
自分の存在を確かめたくて、確かにここにいると思いたくて手首を切りました。

――そうだったのですね。

「痛み」はできる限りなら…受けたくないものです。 でも、「痛み」は僕にとって「喜び」や「楽しみ」よりも、より生きてる実感を与えてくれるのです。

――そういうことなのですね。リストカットは生きることを実感したいからする。死にたいわけではないのですね?

Rはい。死にたいのではありません。

――わかりました。ところで「自分の立ち位置が分からなくなった」と感じたことについてもう少し詳しく教えてくれませんか?

 うーん…何と言えば言いのか…。ある意味、立ち位置が分からないという事は「無視される」に近いと思います。
 例えば、三、四人の集団で話し合いをしていたとします。その中で自分も話し合いのメンバーなのに、話し合いは自分の存在を無視して、まるで始めからいなかった様に振る舞われる。
そんな時に不意に「自分はどこにいるのだろう?」と思う時があるのです。
無論、これ以外にもあるんですけど…うーん説明が下手ですみません。

――他人にどう思われているか気になってしょうがない、あるいは、嫌いな人からも嫌われたくないあなたにとって、これは辛いでしょうね。
つまり、あなたの存在が、他人の目の中にしか存在しないと感じられるならば。そう感じますか?

そう…なのかもしれません。他人は自分を感じるためにいる…のかもしれません
  
――あなたは他人本意で生きているのではないでしょうか。
世の中には、他人本位で生きている人と、自分本位で生きている人がいます。
 自分本位というと、自己中心な、わがままな、自分勝手なという意味に取られるかもしれませんが、そういうわけではありません。
 「自分の感覚に責任を持つ」という意味なのです。他者の反応は受け入れはしますが、それに振り回されたりはしない。よって、自分本位の人は、他人がどうであろうと、世の中で何が起きようとと、それはともかくとして、自分は自分である、と思えるのです。

 一方、他人本位というのは、「他人任せ」という意味です。自分が他人次第で、周りの状況次第で、いかようにも変わってしまう可能性があるので、非常に不安定な心もとない立場だと思います。どうでしょうか?

 そうです。自分には多分「個性」というものが無いのでしょう。
それに、「自分に責任を持つ」そんな事が出来る程、僕は強くありませんでした。僕はこんな人間です。自分が無いのかもしれません。話しいて嫌になりませんか?特に貴女の様に自分に責任が持てる人は、こういう人間を嫌うのではないですか?

――うーん。あなたは非常に個性的だと思いますけれどね。
「自分の感覚に責任を持つ」ということが、そんなにも難しいというか、何か特別な強さを必要とするのかな。
まあ、それはともかく、先日、あなたが私の頼んだ原稿を書き上げてきてくれましたよね。その時の嬉しさを今でも覚えていますが、あなたは他人に頼まれたことに対して、きちんと誠実な対応ができる人です。いとおしいと思いこそすれ、嫌うなどということはありません。

 僕にそんな感情を持っても良い事なんか無いですよ。

――私はあなたに何らかの見返りを求めているわけではありませんし、何か「良い事」を期待しているのでもありません。「可愛い」とか「いとおしい」という気持ちは、それを感じていることそれ自体が、私にとって幸せなことなのです。

Rそう……なんですか……。

――あなたは、他人から、「好き」、「愛しい」、「可愛い」と言われることは苦痛ですか?あるいは、苦痛ではないにしろ、「だから何?」といった感覚を覚えますか?


R だから何?と思う事はあります。愛し方も愛され方も分かりません。愛は重いと思います。相手の思いに対しては、断るとしても義を尽くすべきだとは思いますけど。


――あなたとのやりとりで、私が感じたあなたの思想―他人は信じるな。他人など愛してもどうせ裏切られるだけだ。この世の中に自分の居場所などない。人生は苦痛だ-―
これらをあなたに吹き込んだのは誰ですか?それとも、あなたが全くの自分自身のみで獲得したものですか?

R えーと…まず、人生は苦痛じゃないです。そこまで悪いものとも思ってません。
唯、別に何時この人生が終わっても構いません。僕は何時、死んでもいいのです。
勿論、「何時も後悔が無い様に生きて来たから、何時死んでも構わない。」なんて、前向きなものじゃないです。
僕が居なくても、世界も、学校も、人も、回っていくんですよ。変わらないんですよ。
それは、僕に代わりなんていくらもいるでしょう?
こういう考え方は…強いて言うなら「環境」から学びました。だって、誰が何と言おうとこれは感じられる「真理」の一つですよね?
「感情」に関して言えば、僕自身の経験や僕の性格から、こんなにねじ曲がった物になってしまいましたよ。

――ということは、裏を返せば、あなたは世の中や、世の人々にとって、特別なかけがえのない存在でなければ、ここに居る理由というか、生きる価値が見出せないと、言っているように聞こえるのですが、この解釈は違っていますか?

そういう訳ではありません。自分が特別じゃ無くてはいけないなんて思った事は無いです。「居ても居なくても同じ」って事です。

――それをいうなら、別にあなたじゃなくても、ローマ法皇だろうが、一国の首相だろうが、マザーテレサだろう
が、誰であろうと彼らが死んでも、世界も、学校も、人も、相変わらずなんの支障もなく回っています。その意味では、確かに「居ても居なくても同じ」。だから?この後に続く言葉は?

 うーん。勘弁して下さい。もう、僕なんて居なくてもいいではありませんか(笑)!

――(笑)では、あなたの人との理想的な関係はどんな感じですか?

R 円を思い描いて下さい。
円の中心に僕がいます。
円の中が僕の領域です円を構成する線が僕と外の境界線です。
僕の理想は「この線から僕は外に出ない。だから、あなた達もこの線より内に入って来るな。」つまり、線を引きたかったんですよ

――円の線を乗り越えようとする人がいたら、どうします?

R 何もしません。というよりできません。

――私は乗り越えまくりですが、これはいいのですか?

Rあくまで理想ですから。人生は思い通りにはいきません。

――人は、たとえどんなに優れて世に貢献していようとも、目を見張るほど美しくても、例えばナイフの一突きで、あっけなく、それこそ死ぬ時は、人もミジンコも全く同じように逝ってしまいますよね。
その後はただの骸です。

私は、死んだ後には、霊魂も前世も後世もへったくれもないと思っています。
あったとしても、そんなものはどうでもよろしい。
私にとって人生とは、たかだか何十年の今生しかないのです。
「今は冴えなくても、来世はイケている人生を」だの「天国では幸せになれる」
という思想は否定はしませんが、私にはなじみません。

とにかく、死んだらこの私は完全に無に帰するのです。それは、いつかわかりません。
「あと10年です」などと分かるのであれば計画の立てようもありますが、明日かも知れません。
ま、いずれにしろ、あなたも私もあと100年もしないうちに完全にこの世から姿を消しています。
誰も覚えてすらいないかも知れません。
そう思うと、自分を含め、回りの人間が、今、生きていてお互いにかかわっているということが、奇跡としか思えないのです。

人間が生きているうちに出来る、一番シンプルでしかも尊いものは、愛情や友情のやりとりであろうと思います。
これが私の持論ですが、反論その他、何でもどうぞ。

愛を教えて・Rとの対話―№3に続きます。

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コメント

はじめまして、こさやんと申します。
リアルないい記事ですね。

もっと気楽にいけばいいんちゃう?と僕は考えます。(時間があれば、世界3大宗教のバイブルでも(仏教はありませんが)お読みになることをお奨めします。)人はそれぞれだ! ということがより解ると思いますよ。

よろしければ、僕のblogにも遊びにきてみてください。
よろしくお願いいたします。

『Standing Bar』立ち飲み風サロン、Webページ
 http://kosayan.cocolog-nifty.com/

以上

投稿: こさやん | 2008/02/20 18:31

こさやん。
来て下さってありがとう。
こさやんのサイトは、もっとエネルギーのある時に訪問することにしますね。

投稿: プルート通信管理人 | 2008/02/21 19:16

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