« 蕎麦食い | トップページ | 天秤座シガニーのバランスの良さ »

映画スノーホワイトに見る母娘の心理劇

グリム童話の白雪姫をリメイクした映画は数あれど、中でも個人的によくできているなぁと感心したのが、シガニー・ウィーバー、モニカ・キーナ出演のスノーホワイトSNOW WHITE(’97初公開・米)

 洋の東西を問わず、おとぎ話によく登場するテーマのひとつに継母ものがあります。
 白雪姫シンデレラ、鉢かつぎ姫などに見られる継母は、なさぬ仲の娘の存在を脅かしにかかるのが定番。 
 が、実はこの継母たち、心理学的には実母と見るのが妥当なようです。

 「まさか~。どうして実の母親がわが娘を脅かすの?」
 と思った方は、母娘間の葛藤がない、あるいは比較的少ない幸運な方かも知れません。
 母親と娘はある時を境に、女としての存在や生き方をめぐって火花を散らすことがあるのです…。
 
 中世、北ヨーロッパのとある領主の後妻として迎えられたクローディアは、美しく、教養豊かな女性。
 何かと反抗的な先妻の娘リリーとも、なんとか仲良くなりたいと願っています。

というのも、クローディアの母親は、ある理由で世間から差別され、不幸なまま死んでいった女性。
 そんな母のもとで育ったクローディアの悲願は、この世界に輝かしい形で受け入れられ、母が果たせなかった幸福―人間として、女性として、母親としての幸せを享受すること

 生まれた時からいい家に育った令嬢のようにふるまうクローディアは、普段は本来の自分を抑圧しています。
 その抑圧したシャドウとも言うべきもう一人の自分を鏡の中に閉じ込めて、精神のバランスをうまく保っていたクローディアでしたが…。
 可愛いかった娘が、いつしか自分の存在を脅かすような女性と化した時、母親もまた恐ろしい魔女に変身してしまうのです。

 それにしても…女同士の、狂気と正気の、邪気と無邪気の壮絶な闘いの前に、王も青年貴族もなすすべもなくデクノボウ状態なのでした。
 いやはや、抑圧されていない男は、抑圧されている女の前では赤ん坊も同然。
 これを読んでいる方も、誰かの地雷を踏まぬよう気をつけましょう。
 この映画に関する心理学的補足説明こちらをクリック。 

★シガニー・ウィ―バーが狂気の「継母」クローディアをド迫力で演じています。
対する「白雪姫」リリーも、原作のような弱々しい姫ではありません。理不尽な事態に果敢に立ち向かってゆく気の強いお嬢を、モニカ・キーナが好演。
中世の、異教徒や魔女迫害に対するテーゼも盛り込まれており、演出も凝っていて、子ども向けの甘い作りにはなっていません。
 画面はあくまで、幻想的で、悲劇的な美しさをたたえるファンタジック・ゴシック・ホラーです。 

★こちらは男性版です。グリム童話の蛙の王ー母親に呪われた青年

|

« 蕎麦食い | トップページ | 天秤座シガニーのバランスの良さ »

コメント

以前の「ローズマリーの赤ちゃん」もまだレンタルしてないのに、
さらに観たい映画のご紹介だわ♪
いやー、女って、年令とか血とか関係なくライバルになり得る…。
本音・本性・本能、どれも女性の専売特許のようにも思えますが、
ワタシはこれらに直面することは苦手。苦手だから憧れたりする反面もありますが。

ワタシの16年来の友人Yは、11/9 生まれのさそり座です。
5年くらい前に結婚しましたが、まったく子供には関心がないというのです。
理由は、両親にとって自分が邪魔な存在だったから。
ひとりっ子の彼女は愛情を一身に受け、大切にされていたという印象だったので、聞
いたときは信じられませんでした。父上はすでに他界。でも最後の最後まで母上は、
一日もかかさず、夫より早く起きて、美しく身なりを整えて夫を笑顔で迎えていたそ
うです。他人から見る母娘と同じ屋根の下で暮らす女性ふたりの実際の関係は…。

なんにもセリフがなくても表情だけで、こちらに伝えてくれる、考えさせてくれる、
シガニー・ウィーバーはそういう女優のひとりだと思います。この作品ではどんな顔
を見せてくれるのかワクワクします。早く観たいデス。

投稿: 篠崎ヤツデ | 2004/10/08 20:10

人間が何かを成しえるための原動力の一つに「嫉妬」が挙げられるそうです。この嫉妬の力を、より建設的に昇華させるために皆様々な能力を磨くわけですが、たしかに剥き出しの嫉妬は恐いですね。たとえ近しい間柄といえど、というより近しい間柄だからこそ「剥き出し」は避けたいなぁ。反対に芸のある嫉妬は何かを創造しうるということでしょうか。誰かを憎むことに専念するなら、そのエネルギーを何でもいいから自分の芸を磨くことに向けるのがいいんでしょうね

投稿: 管理人 | 2004/10/11 17:34

はじめまして。今年になって2本の「白雪姫」映画が公開されることで、ついつい昔みたシガニー・ウィーバー版の映画があったことを思い出し、検索でたどり着いたものです。当方の記事でこちらの記事を紹介させていただきました。
この記事だけでなく、全体にとても興味深いテーマのブログで、ワクワクします!
また拝見させていただきますm( )m

投稿: Aya | 2012/08/30 02:24

ayaさま

 ご訪問ありがとうございます!
 
「白雪姫」のテーマには普遍性があるのか、多くのクリエイターが「わが白雪姫」を造ってみたくなるのでしょうか。
 また映画の感想など教えて下さいね。

投稿: プルート通信管理人 | 2012/11/21 20:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21283/1601839

この記事へのトラックバック一覧です: 映画スノーホワイトに見る母娘の心理劇:

« 蕎麦食い | トップページ | 天秤座シガニーのバランスの良さ »