盂蘭盆会-うらぼんえ-

 浅草に鷲在山・長國寺というお寺があります。


 毎年11月の酉の日には「酉の市」が開かれ、大変な賑わいを見せるお酉さまのお寺です。

2_4←今年の我が家のベランダのグリーンカーテンは白色夕顔です

 長國寺は管理人の実家の菩提寺で、先祖代々のお墓があります。

 
 7月中旬、身体が溶けそうな、うだるような暑さの中、盂蘭盆会(お盆)のお墓参りに行ってきました。


 JR錦糸町駅前から出ている日暮里駅前行きのバスに乗ります。

 
 このルートは、東京スカイツリーやアサヒビールタワーのすぐ下を通って浅草を抜ける下町観光ルート


 「竜泉」で降りるとすぐに鷲(おおとり)神社と隣接した長國寺の山門が見えてきます。

 
 ロビーに飾ってある巨大な大熊手は、熊手商から奉納されたもの。
 これを拝み、冷たいお茶をいただいて、一息。


 施餓鬼の法要には参加しませんので、お塔婆料のみを納め、お墓参りをします。


 供える花は、夏らしい白と赤のデンファレをたっぷり。


 なんか…タイ国のお墓のようになってしまいました^^。

 
 近年、墓所の各家の墓石は、ほとんどリニューアルされましたが、それでもほんの少数、角が破壊され脆くなった墓石が遺っています。


 これは1945年の東京大空襲で焼かれた墓石だそうです。


 自分の知らない歴史的大惨事が、確かにここで起こったことを伝える遺物ともいえる存在です。

 管理人にとって浅草というのは過去から現在に続く時間に思いをはせる場所。


 ご先祖たち、戦争のこと、先代の住職のこと、自分が浅草で生まれたこと、下町の古い町並みや知り合いだった人情のあつい年配者たち…。


 幼い頃から、祖母とふたりで、あるいは家族みんなで通った「お墓参り」は、帰りは雷門に出て仲見世を歩き、観音様にお参りをして、すき焼きの今半や洋食のヨシカミ、神谷バーの食堂、梅園などに寄る楽しさとセットになっていました。

 
 今回はロシア料理のラルースへ。


 ああ、変わらず営業していてくれる嬉しさ

 ラルースのお料理とサービスは、たとえば雪の降る寒い中、凍えそうになりながらたどり着いた時のありがたさは格別だと思いますが、猛暑の中、日傘をさして千束から歩いてきた汗だくの者にとっても天国のような素晴らしさなのでした。


 をやけどしないように頬張るとろとろのキャベツロール
 別添えのガーリックバターを好きなだけすくって載せ醤油を少したらして食べるロールビーフステーキ
 海老が巻かれたクリーミーな蟹コロッケ
 白州のハイボール
 食後の、ジャムをたっぷり入れたロシア紅茶

 暑いとかなんとか言いつつこの食欲…。

 そして、お店の隅にはお酉様の縁起熊手。
 

 一時、ちょっと廃れたようになった浅草ですが、今の街丸ごと江戸、東京のテーマパーク的発展には目を見張るようです。 


 隅田川のほとりのジェラート屋さんでもう一休み。
 

 高度経済成長期にはメタンガスが湧くほど汚染されていた隅田川ですが、それも随分と昔の話になりました…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

薔薇と、蟹座の星の王子

2

 突然ですが、誰かが、”自分にとって唯一無二の存在になる”、とはどういうことでしょうか?

 世の中には星の数ほどの人間がいるのに、なぜ”その人”なのでしょうか。

 その答えの一つをサン・テグジュペリの小説「星の王子さま」が教えてくれます。


 あまりにも有名なお話なので、ご存じの方も多いかと思いますが、ここでは王子と薔薇の関係に絞って、かいつまんでおさらいしてみます。

            ★
            ★
            ★          

 
  ある日どこからともなく、王子の住む小さな惑星にその種はやってきた。種は芽を出し、やがて、胸を打たれるような美しい薔薇の花を咲かせた。王子はかいがいしく世話をするのだった。
 
 ところがその薔薇は何かと手がかかる上にプライドが高く、世話をしてくれる王子に感謝する様子もない。

 自慢屋で、ちょっと意地悪で、見栄っ張りなのだ。

 世間知らずで生真面目な王子は、薔薇のそういった性質にいちいち傷ついてしまい、みじめな気持ちになって落ち込み、薔薇と別れるべく自分の惑星を去る。

 宇宙を旅して様々な惑星を訪れ、様々な経験をした後、地球にやってきた王子。
 そこで一匹のキツネ(物語中もっとも重要な存在だと管理人は思う)に出合って気が付くのである。

 
 この世には何千何万の薔薇があるけれど、自分が手間と時間をかけた薔薇は、小さな惑星に残してきてしまったあの花だけだったこと。
  
 あの薔薇が、殺風景だった自分の惑星を華やかな明るい場所に変え、いい香りで包んでくれていたこと。
 そのために薔薇は大変なエネルギーを使っていたこと。
 そこにこそ薔薇の王子に対する愛情があったこと。 
 
 強くて尊大に思えた薔薇は、実はとても繊細でか弱い存在だった。自分が世話をし、守ってやらねば生きていけないようなはかなさだったこと。

 薔薇の言うことなんて彼女の本心じゃなかったこと。 

 他愛のない憎まれ口や自慢や、黙り込んだりすることにも耳を傾けてやり、水をやり、ついたてで風をよけてやり、ガラスの覆いをかけてやり、毛虫を(蝶々になるのを待つために二、三匹残しておいた以外)退治してやった唯一の、自分だけの薔薇だったこと。

  それなのに、自分が子ども過ぎて、薔薇のあるがままの存在を楽しみ愛することができなかったこと。

 別れの朝、薔薇は言ってくれていた。
 
  「わたし、ばかだった。
  そうよ、わたしあなたを愛してる。
  知らなかったでしょ。
  わたしのせいね。
  でも、あなたもわたしと同じくらいばかだった
  ごめんなさい…幸せになってね」
 
 しかしこの期に及んでも自分は何も分かっていなかったこと。 
 自分は薔薇のもとを去るべきじゃなかったこと。 
 なつかせた薔薇には責任があること。

 そうして王子は薔薇のもとへ帰る決心をする。
 しかし、物理的に帰還するのが不可能だったので、彼は魂となって帰還しようとするのであった。

           ★
           ★
           ★

 最初から「特別な人」というものが存在するわけではない。
 自分が発見し、手間と時間をかけ、思いをかけた人であればこそ特別な人となるのだ。
 
 誰かを愛するというのはあくまで主体的、能動的な行為であって、愛されることばかりを期待する受動的なものは愛とはいえない。

 このことは恋愛にだけあてはまるものではなく、友情や仕事や物事においても同様である。

 自分が愛したもの、関わった事への矜持

 蟹座のサン・テグジュペリはそんなことを教えてくれます。

 

 さて、冒頭の写真は折り紙で折った薔薇です。

 「百合の花」だの「鶴」だのと違って複雑で、かなり手間暇がかかります。

 それにしても一枚の正方形の紙が、糊もハサミも使わずに折りたたんでいくだけで本物さながらの薔薇になるのですからまるで魔法のようです。

 この折り紙の薔薇、管理人はかつてインターネットの動画を参考に挑戦したことがありましたが、途中で挫折しました。
 自力ではとうていムリでした!

 今回完成に至ったのは優秀で辛抱強い指南役がいたからです。

 その指南役の方も蟹座(半同居人とは別)です。

 管理人の知るかぎりにおいてですが、蟹座の人って細部に至り最後までちゃんとやるんですよねぇ。
 
 さすがです。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

冥王星、いきなり激写される

Photo_2
最接近前に76万8000キロの位置から撮影した冥王星 NASA/APL/SwRI

-はるか宇宙の彼方より、久方ぶりに冥王星つぶやく-

 どーも。
 すっかりご無沙汰しておりました。

 私、蠍座の支配星であるところの冥王星でございます。

 そうです。

 前回の記事、冥王星、ついに処遇が決まるで、惑星から降格させられた冥王星です。

  あれから7年。

 かつての騒ぎのほとぼりも冷め、すでに私の存在も表舞台から完全に撤退した感が漂っているであろう、と認識しておりました。

 ところがある日、地球のNASAより無人探査機ニューホライズンズとかいう面妖なヤツが近づいてきた(といってもかなり距離はあったのですが)と思うと、ものすごい勢いでバシャバシャと、この私を激写していくではありませんか。
  
 相当遠い地球からそんなものを飛ばして来るのもすごいことですが、その探査機が私のあらゆる画像やデータを採取しまくっては随時地球に送っているらしい。

 私も随分と長いこと、誰にも暴かれることのない、闇と神秘のヴェールにつつまれた遥かなる冥王星ってのをやってきたわけですが、まさか、ここにきてこんなことが起こるとは…。

 地球の方々の、探求心とか、開発技術とか、エネルギーとか、執念とか、物見高さには星もビックリです。

 でもって、私にはカロンという衛星があるんですけれども、カロンと私は大きさもあまり変わらず、準惑星と衛星でありながら、共通重心の周りを互いに公転している二重惑星っぽい風情であることが判明。

 一組のペアダンサーが優雅に踊りながらくるくる回っているイメージでしょうか。

 萩尾望都の超名作SF「11人いる!」に出てくる兄弟星、アリトスカ・レとアリトスカ・ラ(あれらは連星でしたけれど)の世界を思い出します。

 さらに、130㌔上空まで覆う靄(もや)、大気、地表を流れる氷河、凍った窒素が平原や山々に描く複雑なうろこ模様…。
  われながらなんというロマンに満ちた存在でしょう。

 それにしても今回、自分でもびっくりしたのは私のビジュアル!

私ってこんなにもラブリーでキュートな外見だったのですね!
 知りませんでした(*゚ー゚*)。
Photo_3

 化け物が棲むと恐れられ、誰も近寄らないし近寄れない僻地の古城になんとか分け入ってみれば、そこには可憐な女神が…!みたいな。

 しかも…とっても美味しそうじゃありませんか。

 「こんなシャンパントリュフチョコとかがあったらぜひ食べてみたいものだが、どこかのパテシェが作ってくれないだろうか」

 などと、食い意地の張ったわが蠍座の管理人も申しておりました。
 
 まあ、いずれ製作されるのではないでしょうか。
 チョコに限らず様々な冥王星グッズがじきに商品化されそうですよね。

 ま、私自身に肖像権はないようなので、やったもの勝ちかも知れませんねぇ…´`(´∀`)´`。

 
プルート通信内の冥王星に関する記事一覧です

冥王星、ついに処遇が決まる2008.06
冥王星、何だかメジャーになる2006.08
冥王星よどこへ行く!?2006.08.
冥王星は大丈夫なのか?2004.04
そもプルートって何?2004.04

 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

Spring has come

 3月の末に挙式を予定している甥っ子のために作っていたウェルカムボードが完成しました。

 
Welcom_boad_2

 2人の似顔絵と洋紙で作った花や文字を組み合わせて構成してみました。

 幼い頃から精神年齢が高く、周りの調整役だった長男坊のK君。
 「夫」や「父」という立場こそ最もK君に似つかわしいと感じます。


 今回をもって適齢期の甥っ子3人全員が妻帯者となりました。

甥っ子の婚礼その1

甥っ子の婚礼その2

甥っ子1と2はすでにパパです^^。

 年明け頃から仕事がオフの日などに少しずつ作りはじめたウェルカムボード。


 完成して引き渡しが済んだら、春が来ていたのですねぇ…。

Photo_3


 マーケットにはいつの間にか美味しそうな春野菜や山菜がならんでいました。

 天ぷらにしたり、軽く塩茹でにしてバルサミコ酢やオリーブオイルをかけて食せば、体の中に春の風が吹き抜ける…。

 こういったものが今年はことのほかありがたい気がするのは、実は今、窓を開けることができず、室内にいると外の様子が全くわからないからなのです。

 というのも現在、住まいは10年に一度の大規模修繕中。


 正月明けから建物は足場と幕ですっぽりと覆われ、窓ガラスには外からビニールシートが隙間なく張られ、ベランダも窓の外もガテン系民族に占拠されているので(笑)、洗濯物は乾燥機を回した納戸に干し、陽の入らない室内ではひっそりと息を詰めるような生活を余儀なくされている…わけでもなんでもないのですが、ま、完全に包囲されていることは確かなのでした。

 時折聞こえる重機の音を戦闘の音と想像しつつ、脳内で、占領軍のもとに潜伏生活を送っているレジスタンスごっこ、あるいは幽閉されている貴族ごっこなどしております。

 4月末には解放される予定です。

 
Photo


 細かく刻んだ新生姜の浅漬け、牛蒡の味噌漬け、酢蓮根を酢飯にまぜ、さっと塩茹でしたタラの芽、菜の花をあしらったちらし寿司は雛祭りに作り、ひっそりと食べました(なんとなく)。

 今年はお雛様にもお出ましいただけませんでした。
 
 なんとなれば、現在リビングの隅にはベランダにあった鉢植えやプランターやジョウロやらなんやらがごっそごそ置いてあるんですから。

 この状況でお雛様を飾る気になりませんて。 


 とはいえ、なんだかんだ言いつつもこの不自由な「潜伏生活」にけっこう馴染んでしまっていて、終わっちゃうのが実はちょっとだけ寂しい気がする春の宵です。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

福が来る準備をする

 「○○に合格(採用)お願いします!」
  
 「今年こそはダイエットに成功しますように。あとお金持ちになりたいし、イケてる彼氏も欲しいです」

 「身近にいる○○が嫌いです。あいつにバチをあててください」
 
Photo
 北の地より、おみくじを背負って我が家に来てくれた可愛らしい目出鯛の群れ

 初詣で神社に行き、賽銭を投げて願い事をする。

 日本人なら多くの人が行う行為ですよね。
 
 でも上記のような願い方では、叶えるのはむつかしいかも知れません。

 何故ならあまりに受け身だから。
   

 会社や学校は、そこに入る事それ自体が目的なのではありません。

 職場であれば、自分がどんな力を提供でき、どんな利益をもたらすことができるかが具体的に事業所側に伝われば、おのずと採用されるでしょう。

 職場は「仲良しグループ」を作りに行く場というのではありません。

 お互いの力を出しあって、利益を共有できる仲間を求めています。

 学校であれば、それまでの勉学の努力の如何が問われますので、試験当日に体調を崩したりせず実力を発揮できさえすれば大丈夫なのです。

 自分の実力と学校選びが合っていなければ当然合格はむつかしいでしょうし、万が一まぐれで入ったところで途中で失速する可能性なども含めて、幸福とはいえないのではないでしょうか。

 お金は一所懸命に働く人にはそれに見合った額がもたらされるでしょうが、棚ボタを望んで何もしない人がお金持ちになるのはむつかしそうです。Dscn0831_3


 食べ過ぎたり飲み過ぎたりする人の精神は健康なのでしょうか。(マツコさんや力士やフードファイターのようなプロは別)
 
 精神的な飢餓感を満たすため、あるいは現実を受け入れがたくて、依存的に、逃避的に食べたり飲んだりしている場合は、生活や生き方、考え方、物事の認知の仕方そのものを見直す必要があるかも知れません。


 ある日、「この人いいなぁ」と思える人に出会ったら…?


 その人に好きになってもらえるような自分でしょうか。

 自己嫌悪に陥っているとしたら、そんな自分をはたして他者が好きになってくれるでしょうか。

 「好き」という感情はその人の存在そのものを好きと思えるのが本物の「好き」

 「主従関係を結びたい」
 「コンプレックスで繋がりたい」
 「弱みを握りたい」
 「相手を貶めて優越感を感じたい」
 「相手を利用したい」
 「私の虚しさを解消してほしい」
 というのは本物の「好き」ではありません。

 一時的に親しくなれたところで早晩破綻してしまうことでしょう。
 もっとも、そんな関係は破綻しない方が不幸だと思います。


 誰かの幸福を願うのならまだしも、不幸を願っているようじゃ幸福とは程遠いのでは?

 嫌いなヤツなど放っておくにかぎります。
 放っておけないとしたら、そういう自分自身に問題がありそうです。

 「幸福」はきちんと準備をしてきた人にはすでにもたらされている、あるいは来るべくして来るのでしょう。

 神社にお参りするときは

 私に必要なものはすでに与えられております。本当にありがとうございます

 と神様にお礼を言おうではありませんか。

 福をもたらす神様とは、すなわち自分自身の潜在意識や潜在能力に他ならない、と管理人は思います。

 


| | コメント (0) | トラックバック (0)

お盆とともに哲学者旅立つ

今夏のベランダでは、ゴーヤのグリーンカーテン造りに初めてまともに取り組んでみました。

Photo_3
 多少の日差しを避けてくれればそれでいいかな、と、食用としてのゴーヤにはあまり期待していなかったのですが、なんとこれが…繁茂繁殖の勢いすさまじく、次から次へと立派な実をつけるので、この2か月くらい毎日のようにゴーヤを食べ続けております。

 連日の猛暑ですが、窓辺を見るたびゴーヤに元気づけられる2014年・夏です。


 昨日(8月16日・土曜日)、近所にお住まいの哲学者・木田元さんが亡くなりました。

 日本におけるハイデガー研究の第一人者にして、「闇屋になりそこねた哲学者」の木田先生。

  管理人はこの方を闇屋肉体の知というキーワードで認識しています。

 戦後、闇屋の手伝いをして命をつなぎ、一家を養い、大学の学資も闇市の仕事で調達したという、清濁併せ呑むサバイバル能力の迫力

  科学技術を人間が制御できる気になっている観念の肥大化を戒めるような健全な思想と生命力!

 しかも美男子。

 …かっこいい。

 木田元さんのお孫さんと我が家の獅子座の同居人は、幼・小学校時代の同級生。
 当時よく一緒に遊んでいました。
 木田元さんのご自宅に遊びに行った獅子座人が、木田さんが65歳まで大車輪をしていた(!)といううわさの鉄棒で遊んでいる写真があります。

 商店街でお見かけする度
 「お目にかかれて今日はラッキー」
 と思っていました。

 上品な奥様といつもいつもご一緒だった木田先生。
 車鮨、むさしや、佳佳苑…そして今はなき洋食屋ジャーマンポテトで、お二人が仲睦まじく食事なさっている姿が忘れられません。

 昨年、商店街のサンドラッグの前で久しぶりにお二人と立ち話をした獅子座人。

 「木田先生に憧れて哲学にいきたいと思ったのですが、大学では国文を専攻いたしました。でも哲学やドイツ語は続けたいです」
 という獅子座人に
  「国文の方が哲学より生産的です
 とおっしゃった木田元さん。

 8月のお盆とともに旅立ってゆかれた巨匠。

   ご冥福をお祈りいたします。

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一人っ子 末っ子

風薫る初夏。

この季節にぴったりのアジアンエスニックな一品・トートマンクンムウ(海老と豚のアジア風さつま揚げ)^^。
簡単でとっても美味しいです。
作り方は後ほどご紹介します。


Photo_2


さつま揚げといえば・・・・
 ある日の、おでんの鍋を囲んでの会話。

一人っ子「(一個残った)このさつま揚げ食べていい?」

末っ子「どうぞ」


しばらくして


末っ子「さつま揚げは?」

一人っ子「食べたよ。さっき、どうぞって言ってたでしょ?」

末っ子「そりゃ、食べていいとは言ったけど、全部とは思わなかったもん。半分とか、一口残すとかふつうしない?」

一人っ子「わざわざ断って許可されたんだから食べるでしょ、当然。残してほしかったならそう言えばいいじゃない」

末っ子「そうか…もしんないけど、でも、残してくれてるかなぁと....」

一人っ子「あんな小っちゃなもの(直径5㎝の丸形さつま揚げ)?どうぞって言っておいて一口残せって、意味わかんないんだけど。」

 読んでお分かりのとおり大変セコイ会話です。

 ただ、この会話には「一人っ子」と「末っ子」の特徴が凝縮されていると思うものです。

 ちなみに管理人は6年間一人っ子だった末にきょうだいが生まれた第一子。

 この場合、「一人っ子の言い分」は筋が通っており、「末っ子の言い分」は破綻していると感じます。

 とはいえ、親の愛情も衣服も文房具も、常に誰かと分け合い、誰かのおさがりが当たり前だった末っ子は、一つの何か(例えばさつま揚げ)があった場合、それがたとえどんなに小さなものでも自分ひとりで独占していいとは思っていません。
 その思いは他者にも投影され、みんなも「仲良くシェア」してくれるよねという感覚があるようです。

 一方、誰かと何かをシェアした経験が少ない一人っ子は、食べていいと言われたものは自分のものと認識し全部食べるのはしごく当然のこと。
 強欲というのではなく、自分のものと他者のものの区別がしっかりあるのです。むしろ、誰かと何かを取り合うとか競うという感覚が希薄です

 管理人が子どもの頃、苦手だったゲームは椅子取りゲーム。
 合図とともに素早く椅子を確保しようとする周りの子の動きについていけない感じで...。

.  ともあれ、ストレートでシンプルな一人っ子には、末っ子の複雑な思考回路が理解できず、その言動は時に言いがかりとしか思えないのでした。

 
アジア風さつま揚げ作り方
 
Photo_2生海老(生鱈でもよい)200gをぶつ切りにしたものと、ニンニク2かけをすり鉢で擦る(ニンニクは細かく、海老は粗い方が美味しい)。

そこに豚ひき肉300g細かく切った香菜を入れてさらに擦り混ぜ、きな粉大匙2、塩小さじ半分弱、片栗粉大匙1、卵一個、粉末魚類出汁適宜をいれて混ぜる。


小ぶりのハンバーグ状に形成してフライパンで両面にちょっと濃いめの焼き色が付くようにカリッと揚げ焼きにします。
 
付け合せは香菜千切りにした青いパパイヤなどが合います。

レタスで巻いて食べてもいい^^。

 タレはスイートチリソースナンプラー七味唐辛子レモン汁などでお好みに。

Photo_3

ビールを飲みながらかぶりつきましょう!

ブリブリした噛みごたえと海老&お肉の旨みが身上です。

一人っ子と末っ子がケンカしないだけの量を用意しておくのがベスト。

他に、レトルトのグリーンカレーとご飯、あるいはフォー、そして熟したパパイヤでもあれば熱帯気分満点の初夏の宵を過ごせそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

男よ、汝ソツのある者よⅡ           

Photo_4

「バレエ観たくない?」
「ん~....高いからなぁ」
「チケット代出すよ」
「....なんで?バレエ苦手でしょ」
出るの。東京バレエ団のロミオとジュリエット」
!?・・!☆†

今年に入って間もないある日、蟹座の半同居人と管理人はこんな会話を交わしました。

蟹座人は踊れません。
スキー以外のスポーツも全くやりません。

学生時代の専攻は「演劇」でしたが、ミュージカル映画とバレエ鑑賞をかなり苦手としていました。

それが、

「オーデション受けたら受かっちゃって」
とは......。

 この1年半ほど、低カロリー減塩食と一日一万歩を歩くことを励行して最盛期より10数キロの減量に成功し、身体的にかなりアクティヴになっていた蟹座人。

 だからったってバレエの舞台に出ちゃうとは、世の中、何が起こるか分かんねぇたぁこのこった!


 2月の初旬、4日間にわたって行われたチャイコフスキー記念東京バレエ団・ロミオとジュリエット@東京文化会館の公演。

 伝統的因習に囚われない芸術監督ジョン・ノイマイヤーが造りだすロミオ&ジュリエットの世界はまさに”疾走する青春。ドラマティックな恋”。

 ハードに繰り広げられる主役二人の若き肉体表現の美と、脇を固める達者なダンサーたちの饗宴。
 細部まで貫かれたノイマイヤー氏の美意識にため息が。

 甥であり恋人でもあるティボルトが殺されたとたん、動く彫像のような優雅な風情から一転して激しく狂乱するキャピュレット夫人、もの凄い迫力がありました。

 幼い小動物のようにいたいけなジュリエットと、成熟したキャピュレット夫人の対照的な女性像のコントラストも観どころのひとつでした。

 豪奢な大劇場で、オーケストラの演奏もダンサーの舞踏もすべてが一期一会のライヴを鑑賞する贅沢さ。
 
 チケット代が高いなんて、しみったれた事を言って本当に、本当にすみませんでした
 

 さて、蟹座人が射止めたのは、エキストラの商人役。
 
 舞台では、踊りこそしませんが(あたりまえですが)、ダンサーとからむだの、細かく演技をしていたりだの、舞台を構成する一員になりきっていたのが超個人的な観どころのひとつでした。

 2週間ほどほぼ毎日リハーサルに通い、ノイマイヤー氏やプロのバレエダンサーたちとの時間を共有し、同じ場の空気を吸った蟹座人。

 かつて
 「バレエ観るのってなんか恥ずかしいよぉ」

 などと言っていたものですが、それって、自分の肉体とあまりにかけ離れ鍛錬された身体性の人間を観ると、自分自身(の肉体)が恥ずかしかったんじゃないの?

 肉体を改造しつつ訓練漬けになるような過酷な世界に身を置き、一途に修練するダンサーたちの、ストイックで純粋な精神性がまぶしかったんじゃないの?

 本当は憧れてたっしょ?

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

男よ、汝ソツのある者よⅠ

          

           獅子座人撮映のVictoire de Samothrace
Nike


 多くの男性の口癖に
 「...面倒くさい
 というのが、ある。

 彼らは、世の中に、異性に、親や姉弟に、現実というものに、生活することに、常に何かしら面倒くささを感じているようである。

 確かに世の中は面倒くさいことに満ちていますよね。

 整合性がとれている物事は珍しく、何をするにも一筋縄ではいかず、シンプルにスキッと決まることはまれである。

 とはいえ、そのもともと面倒な要素をはらむものを、さらに輪をかけて面倒にしてしまっているのは、とりもなおさず本人自身ではないかと思えることが多々ある。

  マンションの管理組合の役員の仕事(会計)をしている蟹座人が、組合の会議やら銀行の用事やらを済ませて帰ってくるたびに色々グチる。

 いわく・・・
 
 「管理組合用のプリンタを新調した。
 面倒がないように自分が使っているものと同じ機種にした。
 そこまではいいが、(何故かは知らねど)そのお金の支払いがうまくいかず、とりあえず自分が立て替えているのだが、理事長が当分不在で、書類に彼の判子をもらえないために、プリンタ代金がすぐには自分のもとに返ってこない」

とか、

 「銀行に行って組合の必要経費をおろそうとしたが、押し間違えた印(理事長のものである)と、押しなおした印がわずかに重なっていたために、書類が受理されずお金をおろせなかった。
 再度、理事長から判子を受け取って書類に押しなおし、また銀行に行かねばならない。が、理事長は当分不在である」


 などといった愚痴を聞いていると、なんか、こう、ど~も、蟹座人自身が、実際に起こったことの面倒さの半分くらいに加担してしまっているんじゃね?と思えるのだ。

 というか、実は面倒事が好き なんじゃないのか?

 だいたい彼の話は、何が幹で何が枝葉かを飲み込むのがなかなか困難なのだ。

上記の会話部分は、なんとかまとめてみた結果であるが、この作業に、こちらはかなりの想像力と忍耐がいったのである。

 ネタ自体は悪くないのに伝え方がよくない。
 せっかくのネタが新鮮味を失い、不味くなってしまう。
 腕の悪い料理人のようである。

 聞いてほしいことがあるなら、口に出す前にいったん頭の中でまとめてから話してみてほしい
  とりあえず深呼吸でもして落ち着いたらどうか。

 「相手のいる場合の語り」というのは「独り言」ではないのだから、ある程度、起承転結を意識する必要がある。
 
 それが面倒くさいなら、無口なキャラになってみる、という手もある。 
 しかし、それでは蟹座人が蟹座人ではなくなってしまうであろう。
 
 今も、銀行から戻った蟹座人が、ひとしきり愚痴を言ったのち、バナナを買いにまた出かけるという。

 果物の中で唯一好きなバナナは、ほぼ毎日仕入れているようである。

 しかし銀行に行ったのなら、隣のスーパーマーケットで購入してくれば、外出は一度で済んだのではないか。
 銀行とバナナ売り場は地続きで5、6mしか離れていないのだ。
 
 こういう事態は、彼にとっては「面倒くさい」ことではないのであろうか。 
 たぶんそうなのであろう。

 「じゃっ」

 と言った彼が玄関を出てドアが閉まった直後、間を置かずにピンポ~ン!とベルが鳴るではないか。

 何事が起きたのか、と思ってドアに向かおうとすると、その直後、ドアが開き、そこに蟹座人が立っていた。
 彼は
 「肘が(ベルに)当たっちゃっただけです
 と言い残して、またすぐにドアを閉めた。

 
 さて、世の女子たちに言いたいのである。

 男性のこういったソツというか面倒くささを容認し、受け流し、さらにいっそ面白がれる才が全くないとなると・・・彼らとお付き合いするのは難しいかも知れません。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

夏期休暇

 終戦記念日はシンガポールにいましたウソです。 

Photo

 都内のホテルに投宿していました。
 
 いやはや…最近の品川駅高輪口付近は、国内にいながらにして、香港とかシンガポールにいるような気にさせてくれますね。

  2013年の夏は各地で40℃を越すような、クレイジー&テリブルな暑さ。
 飛行機や新幹線を使う旅は、移動のことを考えただけで気が遠くなりそうです。

 よって、手っ取り早く行ける上に世界でも最も人気のある都市のひとつTOKYOのホテルで過ごす事にしたのです。 

  Photo
 ホテルの素晴らしい庭園を散歩して、
 プールでプカプカ浮いて(浅すぎて潜水は無理でした)、
 中国人オーナーが経営するところの、中国茶専門店でお茶のレクチャーを受け、
 珍しいお茶を何杯もご馳走になり、
 食事は3食ともホテルの外へぶらぶらと出かけていって、
 近隣のレストランやカフェでとりました。 

 夕食後はホテルの、天井の高い落ち着いたバー・ラウンジで、色々なカクテルをいくつか作ってもらってじっくり味わいました。

 Horse's Neckは、ウィスキーのドライジンジャエール割りですが、レモン丸々1個分の皮をらせん状にむいたものが入っています。

 なるほど、レモンの端のとがったところが馬の頭、そこから続く長い皮が馬の首に見えます。
 レモンの濃い香りとジンジャエールのパンチにやられました

 家に帰らなくていいのですから時間を気にする事もありません。

 バーテンダーのかっこいい仕事ぶりはひとつのショーですね。 

 ミストサウナ&ジャグジーは夏バテにも効きますが、寒い冬に入ったら最高ではないか、と。

 管理人はドライサウナは大の苦手なのですが、ミストサウナはたいへん結構でした。

 深夜、ホテルのコンビニで、フライトを終えたばかりのJALC.A.の方々を目にしました。

 最近、新調された制服は、トリコロールカラーのクラシック・モダンなワンピース。
Photo(←余談ですがトリコロール大好きです)

  エレガントで可憐で、外国のエアラインにも引けをとらない素敵なデザインでした。 

 やはり女性はワンピース(の制服)がいい!

 ジャケットも折り返しのついた八分袖が女らしい上に機能的。
 これで白い手袋と帽子があれば完璧ですが、勿論このままで十分素晴らしいです。

 ホテルで出会ったスタッフやC.A.の方々…お疲れさまです。

 管理人も休暇明けにはまた仕事の現場で頑張ることができそうです。

3

 休暇の仕上げは岩牡蠣です(写真はガンボ&オイスターバーのもの)。
 
 夏(Rの付かない月)にこそ旬を迎える日本の岩牡蠣。

 大人の掌ほどの大きさがあり、真牡蠣よりもずっと濃厚な味の岩牡蠣は、まさに驚くべき海からの贈り物です。

 富山県朝日町産の牡蠣は、クセがなく上品なカマンベールチーズのよう。

 良質なプランクトンの宝庫、大分県蒲江産のものは、磯の香りが強く旨みも濃くクリーミーさも半端じゃありません。
 海のブルーチーズと呼びたいです。

 夏季こそ牡蠣…。

 休暇が明けたら、ホントにホントに仕事に身を入れます!


| | コメント (0) | トラックバック (0)

本格的ゆるやかな自立

 管理人の同居人は蟹座人と獅子座人の二人です。 

 この初夏から、これまでの同居の形態を根本的に変えました

Photo_3 実はわが家は同じマンション内に、A号室B号室の2戸を所有しています。

 これまで、3人でA号室に暮らし、蟹座人の仕事場もA号室にありました。

 蟹座人の事務所として購入したB号室は、結局使い切れずに、物置状態が10以上年も続いていたのです。
 3LDKを遊ばせておいたんですよ!
  なんとアホらしくも、もったいないことでしょう

 A号室は90平米弱の4LDKなのですが、3人それぞれの仕事道具や私物で満杯状態でした。

 目に見えるところはそうでもないのですが、作り付けのワードローブやウォークインクロゼット、及び蟹座人の部屋などは、なんと言いましょうか…足を踏み入れられない秘境のような、異次元に通じてしまうような様相を呈しており、ちゃんと稼動しているとはいえなかったのです。

 満杯のA号室と誰も使わないB号室。
 どーにかしろよ蟹座!!
 ってかB号室、いつ使うの?今でしょ!
  

 というわけで…この春、獅子座人が学業を終え、3人全員が職業を持つ社会人になったのを機に、皆で話し合って以下のような取り決めをしたのです。

 Photo_5

蟹座人は生活と仕事の拠点を80%ほど、B号室に移す
 お風呂と洗濯機はA号室を使い(B号室のお風呂と洗濯機は10年以上使用していなかったため、本格的なリフォームや買い替えをしないと使えない)、食事はどちらでどのようにとってもよい。

 A号室には管理人と、いつか独立するまでの獅子座人が生活の拠点を置く
 蟹座人のための仕事スペースコーナーは残す。
 
 食事はそれぞれが自分の分だけ用意する
 朝食は今までも各自そうしていたが、夕食においても基本的に他者の食事の世話や心配はしない。
 何時に帰宅しようと、A、Bどちらで食べようと、外食しようと、互いに干渉はしない。
 ただ、家以外の場所に宿泊する場合は報告しておく。

 勿論、誘い合って、一緒に作ったり、一緒に外食をするのも自由だが、ウィークデイは基本的に、夕食の買い物も食事作りも自分の分だけ。

 A号室の冷蔵庫や食料庫の常備品(卵、ハムやベーコン、お米、パスタ、乾麺類、缶詰、瓶詰、レトルト食品、保存食品、お酒など)は、いつでも誰が使ってもよい 
 
さて、そのようにした結果、3人の生活は……。

 蟹座人は、ロケなどがない日は、朝はB号室からA号室に通ってきて、朝食をとり新聞を読む。
 他の二人が出勤した後、ゴミを出し、お風呂掃除をして自分の分の洗濯をしてB号室に戻ってベランダに干し、AかBのどちらかで仕事。

 途中、夕食の買い物。
 
 夜はA号室にてお風呂と夕食をすませ、B号室に戻って就寝という変形通い婚状態(笑)。

Photo_7
 蟹座人は以前から欲しかった飲み物専用の保冷庫(保温庫にもなるそうな)や生活雑貨などを購入。

 B号室のキッチンでも軽食くらいは作れるように小型の冷蔵庫や、電子レンジなどを検討中。 

 B号室は蟹座人の暮らしたいように部屋を使い、仕事関係の来客や取材もすべてそちらで行うことに。

 特技のヴァイオリンの練習も再開できるでしょう(A号室でやられちゃたまんないが)。
 …たまにはB号室で3人で鍋や鉄板焼きでもするか…。
 
 A号室では蟹座人から贈られた”ディーガプラス”というポータブルテレビで家中どこでもテレビが観られるようになりました(余談ですが、タッチパネルで操作できるっていいですね。日々どれだけの時間がテレビのリモコン探しに費やされていることか…)。

 でもって、今までのA号室の蟹座人の10畳ほどの部屋は、ゆくゆくはキレイにリフォームして一部畳敷きにでもして、和服の好きな獅子座人が桐の箪笥を置く予定だとか。
 

 ちなみに昨晩、それぞれが用意した夕食の内容は以下でした。

 ●蟹座人は、デリカテッセンの鶏の照り焼きと春雨サラダ、枝豆とビールとご飯。
 ●獅子座人は、ひき肉とピーマンとネギの中華風ピリ辛炒めとスープとご飯。
 ●管理人は、鰯のガーリック・ハーブ焼きとホワイトアスパラガスのサラダと赤ワイン。

 獅子座人の漬けた浅漬けと缶詰のムール貝など。

 3人が同じ時間帯にそろったので、お互いの料理を分け合いつつ和気藹々と食卓を囲みました。

 みんな…ちゃんと出来るじゃん

 あまった中華風炒めは本日、管理人の朝食のオムレツの具になり、鰯のハーブ焼きは炒めトマトと合わせて獅子座人の昼食のパスタの具材になり、鶏の照り焼きは蟹座人が生野菜とともにトーストに挟んで昼に食べていました。
 
 さて、今まで・・・どんなに仕事が忙しかろうと家族の夕食は自分が用意することを当然としていた管理人。
職場を出て、帰りにマーケットで食材を仕入れ、台所で料理を仕上げるまでノンストップ、というルーティンでした。

Yakionigiri
 その義務がなくなった今、自分の分だけの食材の購入も、料理作りも、家事もいたってシンプルで自由なものになりました。

 例えば休日などは、午後5時くらいに飲みながら本格的な食事をして、夜はおにぎりだけですませても、あるいは、夜、散歩がてら買い物に出て、時間を気にせず本屋で立ち読みをしたり、映画のレイトショーなどを観に行くことも出来ます。写真は焼き味噌おにぎり。紫蘇の葉は獅子座人の猫額ハーブガーデンから。
 
 今日はあっさりした湯豆腐かなんか食べたい、と思っていたのに、夕食がグリーンカレーだった…ということも、もうなくなります(笑)。

 小型の土鍋で一人鍋だって出来るし、帰宅途中の商店街やスーパーやコンビニは強い味方ですしね!
 朝食を駅ビルのカフェですませて仕事に行くのもいいものです。

 つくづく…おひとり様サイズの生活がし易い世の中になったものですね。
 
 他人のことによけいな干渉をせず、自分の分を誰かに丸投げせず、自分のことは自分でやる人間同士が、協力して暮らす、というやり方は、わが家においては、それぞれの義務が最小限で、自由度も広がり、以前にもましてよりよい関係になれた感があります。

 だからといって別にオススメはしません。
 家族のあり方には多様性があり、どういう暮らし方をいいと思うかも、人それぞれ。

 わが家にしても、これまでのプロセスがあればこその、今現在の選択なものですから。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

桜茶会

Photo3月末から4月にかけての短い期間は、管理人的には桜狂いのシーズン。

 美しい桜が満開に近づくにつれ、一日ごとに激しくめまぐるしく変化する天候や気温。

 初夏のように暖かくなったり、雪でも降るか、と思われるほど寒くなったり、そして恒例の春の嵐が吹き荒れたり。

 特に今年2013年の桜の満開日の頃は寒くて、木の下でお花見宴会をしている方々は、まるでガマン大会をしているように感じられたのは私だけでしょうか。
 
 Photo_8
 この時期は、また、卒業式や入社・入学式などの季節。
 
 ”別れ”と”出会い”も目まぐるしく交差し、花吹雪の中で心が騒ぎます

 そんな心を落ち着かせるためにも、家でお茶会をしてみました。

 まず、この季節のみ、近所の和菓子店で手に入る”桜ご飯(もち米に桜を炊き込んだ塩味のおこわ)”。
 そして、春らしいパステルカラーのマカロン、玉子焼き、竹の子の煮物なども用意して、お茶を立ててみました。
Photo_2

 英国風のハイティーも素敵ですけれど、桜茶会も負けていません

 長命寺や道明寺の桜餅ほか、桜にちなんだお菓子をいくつか取り揃えてもいいですよね。

Photo_10
 おうすは、和菓子にも洋菓子にも、塩味にも甘味にも合い、ふんわりとした淡い泡や、鮮やかな緑色が、春の”門出”や”新生活”を祝うお茶会を盛り上げてくれます。

 慣れ親しんだ場所や人間関係に一時別れを告げて、新しい世界に足を踏み入れようとしている方に。
 
 これから起こる全てのことが人生の糧となりますよう

2013
 ところで。
桜の精は男性だそうですね。

 それは白髪の、年老いた翁でしょうか?

 はたまた桜のように蒼ざめた、うす紅(くれない)の頬をした美青年でしょうか?

 個人的には、白拍子のいで立ちで舞をまう、松田龍平あたりが桜の精じみている、と思うのですが。

 クールな切れ長の三白眼に加えて、大柄で華のある外見と、何かしらの狂気を内包している感じが…。

 桜の精でなくとも、異界に棲むものを演る彼を観てみたいものです。
 
 ともあれ、来年もまたお会いできますように…。

 桜の季節の向こうには初夏が待っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

乙女と、乙女のバイブルOlive

 かつて存在したOliveという雑誌をご存知でしょうか。

’80~’90年代にかけて人気のあった、ロマンティックなガーリーテイストたっぷりのティーン向け雑誌です(2013年現在すでに廃刊されており、管理人の手元には2冊だけ残っています。)
Olive

 ’80年代当時、管理人はすでにティーンからは程遠かったのですが、美しいグラビアや清楚で小粋なフランス風女学生カルチャーの提案が興味深くてたまに購入していました。

 雑誌の中では、読者の高校生をリセエンヌ-lycéenneと呼んでおり、田舎はカンパーニュ-Campagne、結婚はマリアージュ-mariageといった具合に、全体的にフレンチヨーロピアンテイストなわけですが、雑誌名のOliveってアメリカン・コミックのキャラクターの名前なんですよね。

 なのに、どうしてそうなったか…は興味のある方はお調べ下さい。
Olive_2

 ここではこの雑誌が輩出した二人の正統派にして永遠の乙女たちのことに触れます。

 まず現代の…
清少納言70%、紫式部30%くらいな感じの感性の作家(あくまで個人的に思うにですよ)酒井順子女史。

 立教女学院高校在学中より、Oliveに執筆枠を持っていた才媛です―当時”マーガレット酒井”という名前で書いていました。

 大学卒業後、博報堂に入社し研究員として勤務。
 3年後退社し、フリーランスでコンスタントにエッセイを発表。
  Photo_3

「負け犬の遠吠え」 で、講談社エッセイ賞と婦人公論文芸賞を受賞し、ブレイク。

 彼女の書くものは、正統派の教養と、洗練され研ぎ澄まされた感性が光っており、とても理論的です。

 さらに、どこまでも客観的な観察眼に裏打ちされた突っ込みから生まれるユーモアで、時代や現象を切り取ってゆく小気味よさが読者を一気に引き込みます。

  毒の効かせ方のテクニックにも気品があり、林真理子さん的毒気と読み比べてみると面白いかも知れません。

Kuriophoto_4

 そしてもう一人は栗尾美恵子さん。
 花田美恵子さんといった方がわかりやすいでしょうか。

 成城学園中学に在籍していた頃からOliveの読者モデルになり、その後女子大生モデルとして週間朝日の表紙を飾り、大学卒業後は客室乗務員としてJALに勤務。
 ステイ先で力士・若花田に見初められ結婚。
 4人の子をもうけ離婚。
 その後、子どもとともにハワイに移住し、現在はモデル・タレントとして活躍中。
 
 かつても小鹿のように可憐な少女でしたが、他者が手を差し伸べたくなるような清楚な美貌は、ママになっても、離婚しても、40歳を超えても、おとろえるどころか益々輝きを増している感じです。

 個人的に、このお二人に共通しているなぁ…と感じるのは、「人生色々あったせいかどうか、昔とはお変わりになりましたねぇ」といった部分がないように見えるところでしょうか。

 彼女たちの内に存在する乙女のDNAが、一本通った強靭な筋金のように彼女たちの乙女体質を維持し、世俗の垢から守るバリアを形成しているかのようです。

 豊かになった東京の、文化的中流家庭で育ったお嬢さんたちの代表といえる、知性派の酒井さんと美貌派の栗尾さん。

 ”エセお嬢さま乙女風”ではない自然体で、雑誌Oliveが提案したライフスタイルを地でゆくお二人だったわけですが、現在に至るも"Olive少女その後”の王道を歩んでおられます。
 
 この先どれほど歳を重ねても、彼女たちを”永遠の乙女”と呼びたいと思います。


★酒井順子:1966年9月15日生まれの乙女座
★栗尾(花田)美恵子:1969年3月14日生まれの魚座

| | コメント (1) | トラックバック (0)

映画「みなさん、さようなら」

2013
 雪が降ると世界が白いふわふわに覆われて辺り一面美しいSnowy Worldになります。

 雪が積もると、じっとしていられない獅子座の同居人(犬ではありません)と外に出て公園に向かい、真新しい新雪の上に足跡をつけに行きます。

 車や人通りが極端に少くなり、雪が音を吸収するのでしょうか何とも静かな世界は、まるでスノーボウルの中のような閉じた世界に入ってしまった感覚を抱かせます。

 ”閉じた世界”といえば…最近観た映画、みなさん、さようならも、そうしたものを描いていました。

 主人公の悟は、看護師の母親と二人暮らし。
 小学校卒業後の20年あまりを団地の敷地内のみで生きた男
 小学生の時のある出来事をきっかけに彼は団地から出られなくなります。
 中学校は「団地の敷地外にある」という理由で登校を拒否。
 とはいえ、彼はいわゆる”ひきこもり”ではありません。

 それどころか。

 彼の生き方は建設的で、自立していて、愛情に満ち、求道的ですらあります。

 朝はベランダで乾布摩擦、学科の勉強はラジオ講座でしっかり学び、公園の遊具や街路樹で筋力を鍛え、マラソンをして身体の鍛錬にも余念がありません。
 目標は”一本指腕立て伏せ”。
 夜は手作りの名簿を持って、団地内をパトロール。
 107人の小学校の同窓生たちすべての家が無事がどうか見回ります。
 団地内に悪が進入したら、自分が守るために。
 16歳で団地の商店街の洋菓子店に弟子入り。
 仕事もしっかり。

 団地内には商店街も病院も役所も集会所もあり、狭い狭い2kの部屋も、なんというか…余分なものが削ぎ落とされた必要最小限的スペース感があって、これはこれで居心地よさそう。

 主人公の悟の、12歳から30歳までを演じる濱田岳がとてもいい味を出していました。

 映画「ゴールデンスランバー」の”キルオ”は、小説の作者・伊坂幸太郎が「濱田岳を想定して書いた」とのことですが、人間離れした妖精のようなキルオ同様、聖人のような悟も、彼以外の役者では演じられそうにない役です(小学生の役ができる大人ってなかなかいませんし)。
 
愛しさと切なさを駆り立てる純心一本気男子、ここにあり
 男の子を持つお母さん、特にオススメです!

 それでですね…もしも、映画のエンディングロールにクレジットされた「東京エキストラNOTES」という文字に気がついたら…。
 それは蟹座の同居人のサイトです(笑)。→
 
2_2

 雪の夜は雪明りで辺りは明るい。

 こんな日は雪見酒といきましょう。

 日本酒もいいけれど、暖かい部屋で飲むベルギーなどのビールはこたえられません!

 古より、修道院内でそのレシピと製造法が連綿と伝えられた秘伝のビール。
 そういえば修道院も閉じた世界のひとつですね。

 何かをじっくり醸成・成就させるには、一時的に、あるいは部分的に世界を閉ざすことが必要かも知れません

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

この世は私にとっての牡蠣…ってどういう意味?

The world is my oyster

2_2 昔は苦手だったのに、今は目がない食材の一つに牡蠣があります。

 かつて子どもの頃、夕食に牡蠣鍋や牡蠣フライが出ると逃げ回るほどイヤでした。

 牡蠣の見た目も味も食感も、何もかもがダメだったのです。

 20代前半に読んだある本に、
”生涯のほとんどを、生牡蠣とシャンパンとマスカットのみで生きたたいへんな美人の、実在の外国の女流作家の新聞記事”
 のことが載っていたのですが、当時は全くピンと来ませんでした。

 今なら彼女の気持ちは、まぁ分かります。
 ただし実行はしないし、出来ませんけれどね。
 だって、米とか肉とか野菜とかラーメンとか食べたいっすよ、そりゃ(笑)。
4
 ともあれ現在は牡蠣のすべてが大好きになりました。

 特に真冬の生牡蠣と一杯のシャンパンの組み合わせは、ものすごくテンションが上がります。

 その後、焼き牡蠣、フライ、グラタン、牡蠣のひつまぶしなど延々と牡蠣を食べ続ける幸せ…。

 お肉やお寿司などとはまた別の幸福刺激物質が牡蠣にはあるように思えます。

 この冬も、オイスター・バーや牡蠣料理を出すワインバーにけっこう通っている気が…。

 ある氷雨の降る寒い寒い日、ターミナル駅の辺りにあるカフェというカフェがすべて満席で入れず、手足がかじかみそうになった頃、とあるレストランのカウンターにもぐりこむことが出来ました。
 もう、珈琲などでは心身ともに温まらないのですが、かといって声楽のレッスン前だったので、お酒は飲めませんし満腹になるほどは食べられません。

 オニオングラタンスープと牡蠣フライ3ピースを誂え、本を読みながらレッスンまでの時間を過ごしましたが、至福の時でした。 

 さて本題のThe world is one’s oysterです。
 この文を直訳するとこの記事の題名となりますが、実は自分次第で世界はどうにでもなる、君次第で可能性は無限大だよという意味のイディオムです。

 これはシェイクスピア喜劇の台詞の一部なのです。
 ↓
 The world is mine oyster, which I with sword will open.
 自分でどうとでもするさ。この剣で、硬く閉ざした牡蠣(真珠貝)をこじ開け、中の真珠を頂くまでだ。

牡蠣=この世の富や地位、手に入れたいもの、なりたいものの象徴

 ただし、「欲しいものは奪ってでも取ればいい」という意味ではなく、あくまで「望みを叶えるのは簡単ではないが、努力や考え方次第でなんとかできるものだ」というポジティヴな意味ととらえるのがいいと思います。 
 
 もっとくわしく知りたければこちらの記事が面白いです。

 牡蠣は、ビタミン10数種、アミノ酸48種、ミネラル10数種、タウリン、グリコーゲン等々、あの一粒に驚くべき豊富な栄養素が詰まっています。

 ”海のミルク”(岩牡蠣は濃厚なので”海のチーズ”)といわれているのはご存知ですよね。
 
 疲労と冷えには珈琲よりも牡蠣なのです!

2_2日本には世界最高レベルの厳しい管理下のもとに牡蠣を出荷する施設があるとのことなので、生牡蠣はそういう牡蠣を扱っているお店で召し上がることをオススメします。

とあるオイスターバーのピスタチオジェラート


| | コメント (6) | トラックバック (0)

«美しき姫君-La Bella Principessa